ドラマでのハリボテな研究室と職業病

 つい最近、刑事ドラマの『相棒』の再放送の録画を見たのですがその中で非常に気になる描写を見つけてしまった。内容は主人公の杉下右京の東大時代のチェス同好会の友人が働く医薬系の研究所に訪問するというお話だったのですが、研究室と呼ぶにしてはあまりにもお粗末なハリボテだった。まず机がキレイ過ぎる。ほとんど使ってないのではないかと思われるくらい机の上に物が置いてない。器具はおろかデータ等の書類に至るまで何もない始末。もちろん部屋が汚れないために、こまめに掃除やら整理整頓をする人間がいないとは言いません。しかしその場合、棚の上にフラスコが置かれていることが説明できなくなってしまいます。一見すればおかしくないようにも思えるのですが、整理整頓をこまめにやるような几帳面な人間が、地震の際に頭の上に降ってくるかもしれないような危険な場所に不自然にガラス器具を置くとは思えません。生活感のない研究室と言うかモデルハウス的と言うか…。
 ようするに撮影監督がそれらしい雰囲気を出すために、カット割りの中に収まるようにあえて役者の邪魔にならず、なおかつテレビに映る位置に器具を置いたというところなのだろうが、何と言うか不自然極まりない。さらに言えば、普段は洞察鋭い杉下右京がそのことに1ミリすら触れないことにもすごく違和感を覚えた。もし私なら「本当にここで研究してるんですか?」と尋ねたい。