無知と自己満足と

 今日はテレビを見ていてすごく何とも言えない気分になった。世界の子供がSOS!THE★仕事人バンク マチャアキJAPANと言う番組なんですが、そこでJICAの青年海外協力隊員としてケニア共和国で活動をしている土田和歌子さんという方が、地域の衛生環境を良くするために石鹸を作ろうと現地の子供と一緒に頑張るのですが、そもそもこの人って石鹸の作り方が理解できてない。「さあ作るぞ!」って段階で何回も失敗してる時点で私の中には「?」が浮いていました。この人思い付きでやってるだろと。

 石鹸ってアルカリ(番組では灰)を水に溶かして油を混ぜて固めて作るのですが、まず水が重要ってことを理解してない。まず間違いないと思いますが水は井戸水を使っているはず(後半は井戸掘りでしたし)。石鹸の泡立ちで一番重要なのが硬度で川の表流水や伏流水とは違い、深井戸からの地下水ってのはかなり硬度が高いはずです。そうなると石鹸ってのは脂肪酸とアルカリイオンの塩であるから、硬度の高い(MgやらCaが大量に溶けている)水を使うと石鹸カスが大量に生じるはず。ようするに石鹸がそもそも作れない。そして洗浄力も弱い。本当に使える石鹸を作りたいなら、灰を溶かした水を煮詰めるのではなく持ってきた水を蒸留するべきだったわけですな。でも蒸留技術があるなら酒でも発酵させてアルコール消毒液作った方が早くないか?w

 なんかテレビ局を巻き込んだ壮大な自己満足を見せつけられた気分だわ。おそらく本人達は全くの善意でやってるんだろうと思うのですが、やってる本人が無知で非常に歯痒かった。