インフェルノの感想

 ちょっと前に録ったインフェルノダヴィンチコードの続編)を見た。内容は面白いけどいろいろと設定が無茶苦茶だなと思った。なろう系小説レベルでイロイロひどい。



①疫病で人類が減った?
 まずインフェルノでのゾブリスト達の行動原理が、人類が増えすぎたから疫病で減らすことで人類を救うってことだったが、疫病で人類の総人口が減ったのはヨーロッパのペストくらい(それもほんの少し減った程度)であり、基本的に疫病で減ることはありえない。作中で人類の増加は自然からの疫病によって抑えられてきた云々と言うニュアンスの話があったのだが、天然痘ですら人口は減っていない。
 人工的に作ったウィルスでペストレベルの状況を作り出すとしても、かつての医学と占星術が分かれていない公衆衛生と同レベルの状況でもない限り無理じゃね?当時の状況より悪いのって渡航が自由で拡散が早いってとこくらいか?いずれにしても一回の例外以外、人類の人口が減ったことがない。

②人口を減らせば人類を救える?
 で、減ったとしてもすぐまた元通りになるんじゃね?と言う疑問がある。作中でも人口増加が凄まじいことを述べている(そもそもこれが原因で人類が滅亡するって言ってる)のに、何故かウィルス散布で減った後は増えないと思い込んでるような節がある。人口70億から35億に減ったとしても30数年あれば元に戻るだろ(現実に25億人から50億人には37年で達成している)。と言うか、場合によっては現在の技術力は残ったままになるのだからもっと早めに元に戻るんじゃねぇの?と思ってしまう。ゾブリストは10年くらいで定期的に虐殺でもすんのかね?全く素晴らしいな!

③そもそも論であるが…
 謎解き要素が凄まじく非効率。普通にばら撒いた方が早い(身も蓋もない)。さらに言えば、終盤のウィルスを無効化するシーンだけど、もっと簡単な方法あるんじゃね?と思った(例えばあんな謎装置使わなくても丈夫なバッグで包んで塩素剤と混ぜれば良くね?マクガイバーあたりならすぐに調達できそう)。



 ナショナルトレジャーっぽいのを期待してたのにすごい変な気分になったわ。